暮 ら し の 醸 造 所
設計コンセプト
〇住まうこと・暮らすこと
住まいは住み手と共に成長し、住み手はその住まいにより成長していくのだと思います。
住まいがいかに人の暮らしに影響を与え、大切であるか。
しかし、その住まいへの想いや考え方が希薄になってきているのが現状ではないでしょうか。
ファストファッション、ファストフード、経済優先の流れにより、人工材、既製品、設備機器の優劣、生活スタイルの
多様化が進む中での画一化されたプラン。
果たしてそこに暮らしの豊かさが存在するのでしょうか。
この現状は、物が人の都合だけで造られているという事でもあるのではないでしょうか。
人と自然(環境)との営みは自然であることがいい。
人はもっと自然に対して謙虚であるのがいい。
不自然なことが多すぎると思いませんか?
住まいは小さくても、庭があり、四季の移り変わり、植物、虫や小動物の営みを感じ、自然に寄り添い暮らしたい。
光、火、水、風、空気、空、緑、大地を感じ、自然を実感し、変化を楽しんで暮らしたい。
足るを知り、簡素に、質素に暮らしたい。
そんな血の通った住まいには、様々な人の精神状態や死に対しても、住まい手に優しく寄り添ってくれるのではないでしょうか。
そこから幸せの本質、暮らしの豊かさが見えてくると思います。
建築はもっと後ろの方で、小さく、小さく、ひっそり、としているのがいいと思うのです。
〇設計(創造)すること
時間をかけて住み手と心を通わし、想いを汲み取り、設計に落とし込みます。
居心地の良い場を想像すると
「夏の暑い日に、木陰に身を寄せ大木に寄り掛かり、日が落ちる木々や草花を眺める」
そんな光景が思い浮かびます。
涼しげな風がそこには流れ、寄り掛かる大木の感触による安堵感、木々や葉の間から見える美しい景色。風の音、
木漏れ日、空気や木、土、水の匂いを感じる。
設計の本質、原点だと思います。
どこから風を入れどこから抜くか(木陰)。
どこに壁(大木)を設け、どこに窓(木々や葉の間)を設け、どう景色や庭を住まいに取り込むか。
その空間をより居心地の良いものにするために生まれるディテールは、多種多様であり、時間では計り知れない創造や
工夫を費やします。
そこには素材が存在し、住まいが出来上がった時が一番良いのではなく、10年、20年、もっと先の経年美を創造します。
それが住宅の成長であり、その成長により住み手が居心地良く暮らすことができ、日々に癒されることに繋がることだと思います。
〇造ること
質の高い住まいを造るには、職人さんの技術が不可欠です。
大量生産により腕のいい職人さんの数、技術力の低下が進む中、しっかりとした技術が必要な住まいを設計することは、住宅の質、技術の向上、継承へと繋がります。
確かな技術で住まいを造るためには、相見積りはせず、技術の高い職人さんのいる信頼のおける工務店にお願いすることだと考えます。
それが、住み手、設計者、施工者の三位一体の関係性に繋がる事だと思います。
価格も大切な要素です。
今の多くの住宅は設計期間、工事期間を短縮し、既製品で手間を省くため、あまりにも低価格なのが現状です。
そのため、丁寧に設計し造られる住宅が高価格だと思う方が大勢です。
建築に関わる全ての人に適正な対価を支払うのは当然のことであり、そこから導き出された価格は決して高価なわけではなく、適正な価格であるということです。
〇環境のこと
素材は、できるかぎり自然なもので環境負荷のないもの、循環できるものを選びたい。
素材は、時が経てば経つほど美しくなるもの、触り心地の良いものを選びたい。
建築は自然に寄り添い、謙虚であることが美しい街並みを生み、美しい佇まいへと繋がることだと思うのです。
できるかぎり、人の目には見えない土中の事もしっかりと意識しながら考えていきたい。
土中では菌根菌によって情報交換が行われ、微生物のネットワークにより、弱った木々を助け合い、健全な森が保たれています。良い土の状態では木々は生き生きと成長し、そこに鳥が集まります。
その鳥が庭と森とを繋げ、海にも恵みをもたらします。
建築だけ、庭だけ、木々だけを見ず、森を見て、海を見て、全体を見て、暮らし、住宅、建築を考えていきたい。
〇食のこと
食は日々を見つめること。人は食べたものでできている。
日々食べる食材はどのようにつくられているのだろうか。
自然に寄り添い作られた食材なのか。
自然に逆らい作られた食材なのか。
次の世代、もっと先の世代へとしっかりとした未来を繋ぐため、食を見つめ直すことは非常に大切だと感じています。
しっかりとしたストーリーがあるものを選択し、考えていきたい。
これは建築にも通じることであり、KAMOSUと共に、「 食と暮らし 」を見つめ直していきたい。
「 事務所併設店舗 KAMOSUについて 」
これまで見てきた建築と自分たちの日々の暮らしを通して、食と建築の繋がりを感じ始めました。
建築・食・環境においての「 豊かさ 」とは何か。
かつては、自然との共生、人の想いの籠った手仕事、暮らしの循環があたりまえのように行われていました。
こつこつ、少しづつでも「 あたりまえ 」であったことを取り戻し、今の子供たち、そのまたずっと先の世代に良い環境を届けたい。
そんな想いから、弊所に食と暮らしの発信の場「 KAMOSU 」を併設しました。
暮らしの醸造所
建
築
食
暮
ら
し
K A M O S U
神奈川県・藤沢市・湘南を拠点に住宅を中心に設計を行う設計事務所・全国対応可能
店舗設計・住宅(古民家)・オフィス・マンションリノベーション等
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食と暮らしの発信の場「KAMOSU」を併設
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